来栖妃那編 《どこ行った?》

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「何で俺が・・・・」 会社が倒産間際で 政略結婚の道しか生き延びれない! とかの状況だったらわかるよ? うちの会社。そこそこ赤字が続いているけど 頑張ってるぞ? 来栖の会社だってそうだ。 ただ、この先も続くだろう不況を考えたら 平地にビルを建てるしか能のない会社よりも 急斜面、がけの工事専門の俺の会社と手を組む。 組むじゃねえな、組んだ方が会社のため。 そう見解を付けたんだろう。 だから向こうの方が躍起になってるようだし。 そこに昔ながらの親友の太郎クンの登場だよ。 うちの親父と仲良しとなれば ちょっと弱いところを見せて 「俺に任しとけ!」 とかなんとか。 親父が大見栄を切ったんだろう。 それに巻き込まれた俺はたまったもんじゃない。 向こうの娘だってそうだろう。 「そう言えばさ、向こうの娘さん。 なんだか反対しているような話だったじゃん?」 「ああそうでしたね。 反対も猛反対で、家を飛び出たって噂ですよ」 「飛び出た?家出したってのか?」 「ええ。 最近になって来栖社長が探し始めたようです。 今までは、生活が苦しくなれば、黙ってても 自分で帰ってくると考えていたようでしたけど 思ったよりも娘さんの方がしぶとかったようで」 クックック・・・。と 他所の社長さんの苦悩を笑う中田。 --- お前、性格悪いな・・・
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