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「それはまた急に・・・・」
なんて言っていいか。って顔をする中田に
「なあ。来栖さんの所の
泉田さんに連絡を取りたい。
あの人なら彼女のことを知ってるはずだ」
自信があるほどに情けない顔でのお願いに
「泉田さんですか?
まあ、姪っ子だと偽ってたくらいですから。
あの人が関係していることは
間違いがないでしょうね」
「だから泉田さんと連絡を取ってくれ」
「それは出来かねます」
「なんでっ!」
イスを後ろにぶっ放すほどの勢いで立ち上がり
中田を睨みつけると
「いいですか?社長はあと数日で、その
来栖のお嬢さんとの縁談が待ち構えてるんですよ?
そんな中、ほかの女のことを訊けますか?」
「・・・・・・・・・・・」
ご尤もなことを言われてしまえば
俺の反抗する言葉も口を出てこなくなる。
「なあ・・・・。やっぱりダメか?」
「ええダメです」
情け容赦もない中田。
親父の指示だから
部下の中田はまもるのは当たり前。
だけど、少なくとも
この数年は俺とも一緒に仕事をしてきた仲なのに・・・。
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