石塚史実編 《異変》

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「でもあの神倉会長を あなたたちがお知り合いとはね」 はぁー、と息を吐きながら言う叔母に 「私もびっくりしたよ。 叔母ちゃんの会社のコスメを 里菜さんのお母さんが使ってるなんて」 「俺も驚きましたよ。 一緒にメシを食ってる時に いきなり会長が叫ばれるんですもん」 はは、って 今度は楽しそうに笑って言う尚人。 あの晩、楽しくお喋りしながらの食事中 「あぁ!リチャード、化粧水は?」 と叫ばれた会長。 「あぁ!忘れてました」 外人さんのリチャードさんも 日本語で叫び返して よくよくお話を伺ってみれば 日本に行く会長さんに 奥様から愛用の化粧水を買ってきて とお願いをされていたそう。 気が付いたのが 運悪く営業時間が終わったあとの時間。 店の名前を訊いてみたら 「・・・・・そこ、私の叔母の店です」 驚きながら発した声は もの凄く小さかったらしい。
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