島田恭子編 《家族》

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「気を付けなよ。 俺が代ってあげられたら代りたいけど。 あいつらは姉貴が標的なんだから」 顔をしかめて言うダイに 「わかってる。 私も気を付けるけどあんたもね。 あんたを標的にして私にダメージを与える って考えるかもしれないし」 「了解。俺も中学で柔道を習ってたし。 あいつらなんかに負けないよ」 私たち姉弟は、中学高校の部活は 柔道部だった。 ダイは高校でサッカーに変わったけど。 「自分の身は自分で守れ」が 私たちの母親の教えだったから。 道着さえ用意しちゃえば あとは費用があまりかからないのが 魅力だったのかも。 試合も近場ばかりだったし。 うちらのお母さんって、 基本的にはケチだ。 「さて。汗かいちゃったし。 もう帰ろうか」 ここまで走ってきて あとを追ってくる様子は見られなかった。 何とかまけたようだ。
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