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先に入って行った鬼藤さんは
扉を開けっぱなし。
「失礼します」と言いながら
扉を閉めたそのあとから
ガチャリ、と
横から手が伸びてカギをかけられた。
「何でカギをかけるんですか?」
って言うよりも
扉の後ろに隠れていたのか。
そんな狭い所に潜んでて
かくれんぼでもしてた?
無言でズンズンと私を押す鬼藤さん。
後ずさりをする私のかかとが壁に、
背が窓に当たり歩が止まった。
「なんなんですか?
欲求不満ですか?」
「ば、バカ野郎。
朝から男を相手にセクハラするな!」
屈んで密着して喋るから
顔にツバがぺっぺぺっぺ飛んでくる。
顔をしかめているうちに
かけていたメガネを奪われ
後ろでまとめていた髪ゴムまで引っ張られた。
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