島田恭子編 《真実の顔》

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先に戻ったはずの私なのに 自席に戻ったら鬼藤さんの方が先にいた。 「なにしてたんだ?」 訝し気に問いかけるから 「トイレです。スッキリしましたよ」 「お前ねえ・・・・」 今度はあきれ顔で見られた。 「今日は出かけないんですか?」 いつもだったら部署にいないのに。 「1件連絡待ち。 そう言えば、お前はマンゴーソースのこと どうやって調べたんだ?」 「ああ。企業秘密です」 「バカ野郎!俺たちは同じ企業だぞ」 「じゃあ、極秘です」 「教えろよ。味が同じだっていうのは 味見をすればわかったとしても 成分までは一般人には知り得ないだろ?」 「お口チャック!」 実際に唇を閉める動作付きで答えたら ガシッと首をホールドされ 「ぐっ・・、ぐるじぃ・・・」 「言うか?言うか?」 鬼ではなく、悪魔が降臨。 厭らしい笑顔で私を苦しめる男がここにいる。
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