島田恭子編 《真実の顔》

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神様は私の味方をしてくださった。 「鬼藤さん。3番、長野の工場からです」 「おっ、来た来た」 待ち人からの電話のおかげで 「げほっ!・・ガホッ!・・・・ンゴホッ!」 クビに回っていた腕が離れた。 ぜーぜー呼吸の荒い私を見て 笑顔で電話で話す鬼藤さん。 スッと椅子から立ち上がって --- これ!これ! 手に持つ小銭入れを部長に見せて --- ゴックン!行って来る! ジェスチャーで飲み物を飲むしぐさをすると 「行って来い」 笑いながら許可をしてくれた。 同じ階の自販機コーナーで もったいないから一番安いお茶を買って 「ぷっはぁぁぁぁぁぁー」 一気に半分くらい飲んでから 豪快に息を吐いた。 --- 弟と幼い妹を残して死ぬところだった・・・
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