島田恭子編 《真実の顔》

12/32

2975人が本棚に入れています
本棚に追加
/3000ページ
「じゃあこれでいいや」 妥協したのか知らないが 今度は卵焼きを奪って行った。 「おお!カレー味だ!」 「中に昨日の残りのドライカレーが 入ってるんですよ・・・ってか 私のお弁当食べないでくださいよ!」 卵焼きのあとに、 おにぎりまで持ってって口に入れてるし。 「俺がこれ食う。 お前は俺の弁当を食え」 視線でテーブルの上に置いた ビニール袋を指しているから 引き寄せて中身を見ると 「うぉー!まい泉のとんかつ弁当だ!」 とんかつで有名なお店の・・・・ 「し、しかも上ロースじゃないっすかぁ!」 1000円以上もするお高い方だった。 「おお。出先で買ってきた。 もうそれも食い飽きてきたなぁ・・・」 「ちっ、金持ちめ・・・」 本音が声に出ていた。 言った本人の私は気が付いてないけど。 フッと笑ったようだけど もう何も気にならない。 気になるのはとんかつとご飯の配分だけ。
/3000ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2975人が本棚に入れています
本棚に追加