島田恭子編 《真実の顔》

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ムキになって息まで止めちゃってた。 「だぁー!終わった・・・」 打ち終わったあとは一気に脱力。 肩で息をするほど呼吸が乱れる中 「これ、部長にも見せるぞ」 「まだ見てたんですか?」 となりのオニが 何をやってたのかも気にせず 淡々と自分の仕事を進めてた。 「お前が考えたのか?この企画」 「企画なんてものじゃないですよ。 自分が客だったら買いたいって 思うものをちょっと調べてただけで」 「そう言うのがいいんだよ。 ちょっと部長、お時間良いですか?」 ちょうど どこかから戻ってきた部長を引き止めてる。 「鬼藤さん、頼まれてたの置いときます。 じゃあお先に失礼しまーす!」 最後は部署中に聞かせるように大声で。 「お疲れー」 「まっすぐ帰るのかぁ?」 などなど。 適当にやり取りをして 「いっそげー!」 着替えもパパッと済ませただけで 会社を飛び出た。
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