島田恭子編 《真実の顔》

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視線の先で バスがエンジンをかけ始めた。 もう出発の時間になったようだ。 何とか駆け込みで滑り込めそうだったのに 「お待ちしておりましたよ」 スッと私の前に立つ2人のスーツの男に 前を遮られた。 「・・・・・っ!!」 ぶつかりそうになり 慌てて歩を止めた私の目の前で --- あ・・・。 バスの扉が閉まってしまった。 2人の男の先を見つめながら 固まった私に 「奥様がお呼びです。 一緒に来てもらえますね」 「・・・・・・行くわけないでしょ。 妹の迎えがあるの。退いて」 バスは出発してしまった。 それでも2人の男を退けて バス停まで行こうとするも 「こちらも命令ですので。 あなたにも従ってもらいます」 私の腕をつかんで引き止められた。
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