島田恭子編 《真実の顔》

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黙って引きずられるような ヤワな女じゃない。 つかまれた腕を回転させ 「痛ぇ!」 男の腕を捻りあげてやれば 痛みに顔が歪み、悲鳴をあげている。 「この野郎。ナメたマネを!」 捻りあげられた男よりも年下の男が 勇ましく腕を振り上げて向かって来るも 「バカ野郎!場所を考えろ!」 もう一人に窘められて 「・・・・・・・・」 悔しそうに振り上げた腕を下ろした。 「奥さんに言っときな。 心配しなくても、あんたの旦那が死んでも 遺産をもらうつもりもないからって」 「それは自分で言え。 俺らは連れて来いって言われたら それに従うしかないんだ」 「それはできないって言ってるだろ。 妹が待ってるんだ。 私はこのまま帰るからね」 捻った腕を、さらに上に持ちげると 男が情けない悲鳴をあげ もう一人がオロオロとし始めた。
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