島田恭子編 《真実の顔》

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「なにをしているんだ?」 訝し気に問いかける声に振り返ると 「・・・・・・・どう見ても・・・・ やられてるのは男に見えるけど・・・・」 ぶふっ。と 最後に吹き出しちゃったりしてる。 「は、離せ! 今日のところは引き下がってやるから!」 「どこまで上目線だよ。状況を考えろよ? このままチカンだって言って 交番連れてってもいいんだぞ」 「わ、わかった! とりあえず手を離してくれ!」 顔を痛みで引き攣らせているのか やられっ放しで悔しいからなのか。 本人じゃないと分からないけど 苛立ってるっていうのは伝わってくる。 「ほらっ!」 突き放すように腕を放すと おっとっと・・・って感じで 足を(もつ)れさせながら後退し 「お、覚えてろよ!」 年下の男の方が一つ叫んで逃げて行った。
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