島田恭子編 《真実の顔》

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逃げて行く男2人の背中に向かって 「覚えられたら困るのはそっちだぞ!」 叫んで揶揄ってやった。 「ははは!ずいぶん勇ましいんだね」 助けに入ったのか何なのか知らんが 「ご見学、ご拝聴ありがとうございました」 お礼を告げておけば 「ははは!本当だよね。 助けが必要なのかと思ったら 俺なんて必要なかったね」 クシャッて笑う男の人の笑顔に --- どこかで見たような・・・・ 「キミは階段から落ちて来たり 男に襲われそうになったり、忙しいね」 「あぁ!いつぞやの通りすがりの イケメンドクター!」 「なになに、ドラマの見出しみたいだね!」 また吹き出しちゃってる。 笑い上戸なのか? 「この間はお世話になりました。 今回は・・・・・なってないけど」 私のひと言で、バスの居ない 閑散としたバスターミナルに爆笑の声が響いた。
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