島田恭子編 《サンタ重複》

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「妹の父親はまた別の人で 再婚もしちゃってますからね。 この先会うこともないと思うので 今回見舞いに来る口実に 私たちの爺さんの、ってことにしたんです」 階段を上がりながらだから こんなに流暢には喋れてないけど。 「あ、だからか。 でも社長とサチ、仲良しだったな」 「そうですね。今日初めましてなのに 私もびっくりしましたよ」 「俺も。まあサチは人見知りしないし。 だれとでも友達になれるしね」 「それはそうだね。鬼藤さんとも 普通にお喋りしてたしね」 「それは俺が寛大だっていうのが あの小さなサチにも・・・」 「ハイハイ。到着ですよ~」 面倒くさいから オニの口上をぶった切ってやった。 オニの顔がブスっとしちゃったけど。 お得意先の社長の前では 私を小突けなかったようだ。 ウッシッシッシッシ!
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