島田恭子編 《サンタ重複》

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じい様が使ってる病室には 小さなキッチンも備わっていた。 そこで美味しいコーヒーを淹れたのは 「ありがとう千葉さん!」 だれでもない、千葉さん。 唯一の女の私、淹れる気もないし。 あ、間違えた。サチも女だ。 ヒト科ヒト属じゃなくてチンパンジー属だが。 「そう言えば、 何で鬼藤さんがここにいるの?」 「・・・・・・・・・」 私の質問、軽く無視しようとするオニに 「サチ、行け!」 妹をけしかけた。 「オニしゃんた!なんでいんのぉー?」 オニの耳元で絶叫。 「ひー!」って言いながら すぐに耳を塞いだけど・・・・ 「あ、頭がくらくらする・・・」 もろにサチの攻撃を食らっちゃったようだ。 「鬼藤って言えば、たしかこの病院にも 鬼藤先生っていらっしゃいましたね」 さすが千葉さん。 無視してやり過ごす作戦のオニに追い打ちだ。
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