島田恭子編 《離したくない》

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「そうそう聞いたよ」 食事に関する注意を言う兄貴がうざいのか 俺の方に話を振る社長。 「何をですか?」 「今夜からダイを面倒見てくれるんだって?」 「その報告に参りました。 明日からはサチも連れて行きますが 会社が終わるまではここに置かせてください」 サチの方を見れば ダイと同じ弁当を頑張って食べてる。 「もちろんだよ。 ダイもサチも、鬼藤クンの言うことを よーく聞くんだぞ」 「ふぁー」 「んー」 兄妹揃って口の中パンパン。 返事も言葉になってないのも一緒。 「それと?」 ダイたちを見ていた俺に なんだか訊いてくる、社長。 「それと?・・・とは?」 「まだ何か報告することがあるんじゃろ?」 ニター・・・。 厭らしい顔してる。 コホン。と空咳をひとつ挟んだ後 「社長。 恭子さんとお付き合いをさせてもらいます」 「ん!その言葉を待っとった」 厭らしかった顔が破顔した。 その横でダイも嬉しそうに笑って サチは 「んーー!」 イカフライが噛み切れなくて 顔をしかめていた。
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