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庭に咲いた桜が舞い散る季節。
リビングには日差しが降り注ぎ
春らしい朝を迎えていた。
「サチー。そろそろ支度をして」
上に向かって大きな声をかければ
「いつでもどーぞー」
サチからの返事。
「どうぞって・・・」
「俺はこれでいいの?」
サチの返事に苦笑いしていれば
リビングにスーツ片手に入ってきたのは
「おはよう俊哉さん。
それでいいんじゃないかな?
でも、・・・・・本当に行くの?」
持っていたスーツのジャケットを
私が受け取り
先にネクタイを締めながら
「行くよ。サチの晴れ舞台だ。
卒園式は年度末で行けなかったし。
入学式は絶対出るって宣言しといた」
私の手からジャケットを受け取り
ついでに唇を掠めて行った。
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