島田恭子編 《新生活》

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_____________ __________ ________ 庭に咲いた桜が舞い散る季節。 リビングには日差しが降り注ぎ 春らしい朝を迎えていた。 「サチー。そろそろ支度をして」 上に向かって大きな声をかければ 「いつでもどーぞー」 サチからの返事。 「どうぞって・・・」 「俺はこれでいいの?」 サチの返事に苦笑いしていれば リビングにスーツ片手に入ってきたのは 「おはよう俊哉さん。 それでいいんじゃないかな? でも、・・・・・本当に行くの?」 持っていたスーツのジャケットを 私が受け取り 先にネクタイを締めながら 「行くよ。サチの晴れ舞台だ。 卒園式は年度末で行けなかったし。 入学式は絶対出るって宣言しといた」 私の手からジャケットを受け取り ついでに唇を掠めて行った。
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