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ホテルのシングルルームのベッドに腰掛け
スマホを手にするが
決意がつかずに指が動いて行かない状態。
なかなか連絡する機会もないから
あまり会話も無かった相手にかけたいのだが・・
「よし!」
だれもいない部屋の中で決意を呟いた。
電話帳から相手の名前を探し出し
ちょっと震える手で番号をタップし・・・・
『ハイハーイ!』
陽気な感じで相手が電話に出た。
「もしもし由梨ちゃん?
花菜おばちゃんだけど・・・」
『ヤダ!
おばちゃんって歳じゃないじゃん
花菜ちゃんでしょ?』
「・・・・・そっか」
電話をかけた相手は、姪の由梨ちゃん。
私とは10歳も離れていない。
今は大学に通うために
実家を出て寮で暮らしている。
『どうしたの花菜ちゃん』
最後に会話をしたのがいつだったのか。
思い出すのも苦労するくらい前。
だから自分が
この姪っ子になんて呼ばれてたのか
すっかりと忘れちゃっていた。
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