石橋花菜編 《引っ越し》

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翌日すぐに 泊まっていたホテルをチェックアウトした。 すでに3泊も連泊しちゃってる。 失業した今は、極力節約しなくちゃ。 ゴロゴロとタイヤを軋ませながら キャリーバッグを引き 長野にある田舎町の駅にたどり着いた。 ふぅー。 あまりお出かけと言うものをしたことがない ここ数年のだらけた身体が悲鳴をあげそう。 一応、私の実家でもある家に向かおうと 改札を抜けて駅舎を出た。 大きな通りに面している所に "レストラン・レモン" が建っている。 何年も前から空き家なのに 未でも私にはその威厳さを見せつけるかのようだ。 通りを1本入った奥に この街の商店街が開けている。 その手前で営業を続けていた 実家のレストラン。 うちの真向かい。 大きな通りの道反対側にはカフェが建っていた。 真向かいと言いながらも 少しだけ西側に逸れてはいたが。 私がいたころは、確か・・・ 昔ながらの喫茶店だったはず。 代替わりして店も改装したらしい。
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