石橋花菜編 《引っ越し》

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持って来ていたキャリーの中から ビニール袋に入ったリネンを取り出し 取り込んだ布団にかけていると またしても店の扉が開くベルの音が。 今度からは扉のカギをしておかないと。 田舎街だと普通に入って来られちゃう。 「花菜ちゃーん!いるぅー?」 「は、花菜ちゃんって・・・・」 だれもいない2階で ひとりで呟いていた。 さっき初めましてしたばかりなのに。 もう友達のようにちゃん付けで呼ばれてる。 「はーなーちゃーん!」 さっきよりも大声で叫ばれ 「ハイ。今降りて行きます」 慌てて私も叫び返した。 何なのよ、あの人。 馴れ馴れしくない? できればだれにも構われたくなくて わざと田舎に引っ込んできたっていうのに。 しかも、あまり良い思い出がないのに それでもいいからと わざわざやってきたっていうのに・・・・
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