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明日も仕事の私は
一足お先に上がらせてもらうことに。
「あれ?そう言えば
皆さんは車じゃないんですか?」
今頃思い出したけど。
布団屋さんの店先にはそれぞれの愛車が路駐されてる。
「ああ大丈夫。
今夜はここに泊まって行くから」
「布団は売るほどにあるしね!」
「売り物で寝かせるわけないだろう!」
だいぶ酔っぱらった皆さん。
都会で言えばまだ宵っ張りの時間も
田舎では真夜中なのに。
外でも気にせず豪快にはしゃいでいる。
「ばいばーい!」
「気を付けて帰れよぉー」
「つまづいて転がってくるなよぉー」
「脇道に連れ込まれるなよぉー」
4種4様に見送られ
テクテクと自分の家に向かって歩き始めた。
いつもの通りに坂を上がっているけど
私も酔っぱらっているからか
思うように上がって行ってないような?
人っ子一人どころか
車でさえ走っていない田舎道。
--- あ、珍しい。
車が一台、坂道を下ってきた。
横を通り過ぎる白いワゴン車。
通り過ぎ間際に踏まれた急ブレーキで
キキー!とタイヤの軋む音を
田舎の真夜中の街に響かせていた。
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