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この森からでちゃだめよ、とポウのママはいつも言っていた。
でも、今日はとくべつ。
ないしょだよ。
だれにも ないしょ。
クローバー畑を抜けて。
……おまもりに四つ葉のクローバーをもって。
どんぐりの林を抜けて。
……お昼ご飯にどんぐりを拾って。
美味しいラズベリーがある小川をこえて。
……おやつ用にラズベリーを摘んで。
ポウは てとてと歩いてく。
途中で出会ったイタチのハップさんにごあいさつ。
「おや ポウ
こんな所までどうしたね」
「ピンクのお花のところへ行くの」
ポウのごきげんな顔をみて、ハップさんは困った。
「ピンクの花かい あすこはニンゲンが住んでいるよ
悪い事はいわない
ピンクの花は 少し離れてみておいで
そして
満足したらすぐに 帰っておいで」
「はーい」
ポウは元気に手を振って、また てとてと歩きだす。
アスペルジュの畑を越えたら三角屋根の小さなおうち。
ポウはとうとうピンクのお花の咲く木にたどり着いた。
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