子ぐまのポウとヒヨドリのメッチ

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ポウはクローバー畑の真ん中で、辺りを見回した。 すると、遠くからメッチがポウのもとへと飛んできてポウの頭へちょこんと乗った。 「ポウ 今までどこに行っていたのさ とってもとっても探したのだからね」 「ごめんね メッチ メッチにね このお花をあげたくて」 ポウは見せた。 カゴいっぱいのピンクのお花を。 「このお花を わたしのために?」 カゴの中のお花から、ポウの体と同じにおい。 ピンクに染まったゆびさきは、メッチへの贈り物のため。 だけどメッチは、ちゅん とどこかへ行ってしまった。 「やっぱりメッチは このお花が嫌いなのかな」 カゴいっぱいのピンクのお花に、ぴちょんとポウのなみだが落ちた。 でもね。 落ちたのはそれだけじゃないよ。 俯いたポウの頭に、ピンクのお花の首飾りが ふわりふわりと落ちてきた。 ポウはびっくり。 「まさか同じこと 考えてただなんて わたしだって ポウにあげたかったのよ」 怒ったみたいにツンとして、メッチはピンクのカゴの中に座った。 「いいにおい まるで ポウみたい」 メッチはくちばしにお花を一輪咥えてね。 ポウの耳へと飾ったよ。 image=500567320.jpg
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