雨上がりの道

2/2
前へ
/2ページ
次へ
A「聞いて、聞いて!!蕪木先生と付き合えることになったの!!今の彼女さんと別れて、私と付き合ってくれるんだって~!!!」 B「えっ…?そ、そう!!良かったね~、おめでとう!!」 雨上がりの景色と同じ、澄んだ笑顔で飛び上がる親友を前に、私は上辺だけの笑顔をつくった……。 足元の泥濘の様にどろどろに沈んでいく心を隠しながら。 まさか、夏奈子の好きな人が私の彼氏だったなんて、気付かなかった。 夏奈子、ごめん……。 でも、これでようやく私はあの変態から解放される。 『次は夏奈子があいつの餌食になる。』 そう分かってはいても、あいつから解放されるのだと思うと、夏奈子に真実を伝える気にはなれなかった。 ごめんなさい。夏奈子。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加