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A「聞いて、聞いて!!蕪木先生と付き合えることになったの!!今の彼女さんと別れて、私と付き合ってくれるんだって~!!!」
B「えっ…?そ、そう!!良かったね~、おめでとう!!」
雨上がりの景色と同じ、澄んだ笑顔で飛び上がる親友を前に、私は上辺だけの笑顔をつくった……。
足元の泥濘の様にどろどろに沈んでいく心を隠しながら。
まさか、夏奈子の好きな人が私の彼氏だったなんて、気付かなかった。
夏奈子、ごめん……。
でも、これでようやく私はあの変態から解放される。
『次は夏奈子があいつの餌食になる。』
そう分かってはいても、あいつから解放されるのだと思うと、夏奈子に真実を伝える気にはなれなかった。
ごめんなさい。夏奈子。
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