カミングアウト

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―――パタンッ 玄関が閉まって、一瞬静まる。 「葵、おはよう」 宏樹が話しかけて来た。 「おはよう♪ってか、いつの間に宏樹来てたんだ?ピンポンぐらいしろよ~(笑)」 「はぁ?!ピンポンしたから、和さんが出迎えてくれたんだろうが?葵どうした?」 「マッジー?!全然気づかなかったわぁ。わり~な」 「それは別に良いけど。お前何かあった?和さんに、ありがとうって?」 おー!宏樹鋭いじゃん! そうなんだよっ・・俺は、今日から生まれ変わったんだ。 「宏樹、ここじゃなんだから‥‥部屋で話す」 「ん~?別に構わね~けど、改まって気持ちわり~なっ」 「気持ちわり~はねーだろ(笑)とりあえず上がれよ」 「お邪魔しま~す」 コイツ、上田宏樹は俺の幼馴染み。 小学校からの腐れ縁で、今も同じ高校に通ってるんだよね~。 兄ちゃんと同様、心を許してる奴。 ちゃんと話さねーと。 キモいとか言われるかもだけど。 〝応援してくれたら嬉しいな〟 そんな事を、先に歩いている宏樹の背中をボンヤリ見ながら考える。
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