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右腕を上げようとする度に、背中へ激痛が走った。
首を動かそうとしてもそれは同じで、まともに上を向くことさえ困難な状況。
脇腹を擦ればあばら骨が折れているのではと疑いたくなるような痛みが広がり、足を動かせば太ももが悲鳴を上げる。
油断していた自分も悪いけれど、さすがに今日のは死ぬかと思った。
背中を押され、フワリと身体が宙に浮いた瞬間の、あのスローモーションに感じる不思議な感覚。
車に轢かれる瞬間とかがスローに感じるって言う話を聞いたことがあるけど、たぶんあれがそうなんだろう。
階段を転げ落ち、壁に身体を打ち付け動きを止めた自分を嘲笑うように見下ろしていた三人組は、確認する必要もなくいつもの面子だった。
どこにどうぶつけたのかなんて記憶にないないけど、突き落された直後は身体中の痛みで起き上がることすらできず、二十分くらいはそのままでいたかもしれない。
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