ただ、巡り会っただけ。

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小学校の五年くらいからだったと記憶している。 クラスに一人か二人は紛れ込んでいる騒がしいタイプの男子に、ブスとかばい菌と馬鹿にされたのがこの陰鬱な人生の始まりになった。 その日から日常は豹変したように歪み、運動着や靴を隠され、トイレの個室に閉じ込められ、給食の時間はわざと自分だけ除け者のように扱われ、ときには八つ当たりや遊びの延長で暴力を振るわれたりという生活をわたしに提供してきた。 わたし自身、自分が平均以下の存在なのは十分理解している。 だけど、別に好き好んでこんな風に生まれてきたわけでもないし、集団の中に馴染めないなりにできる限り愛想よく振る舞い周りから慕われようと努力をしてきたつもりなのだ。 それなのに、どうしてこうも辛いことばかりが振りかかってくるのか。 不公平な世の中。 普通にしている、ただそれだけで恵まれた人生を送る者とそうでない者の間には圧倒的な差が生まれてしまう。 (馬鹿馬鹿しいな)
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