そんなのは嘘だ!

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教壇につくなり、机をパンっと叩いた。 「みんな、エブリマンが死んだ。 昨日の事だ。 全国に流れたはずだから、みんな既に知っていると思う」 出席の確認もしないで、泣く先生。 ちょっと難しい事を言ったりするけど、担任のマエダ先生は、僕らと同じ心を持つ最大の理解者だ。 だから、先生なら分かってくれるはずと、僕は一つの提案をしてみる。 「はい!だから、みんなでこれから怪人と戦うために緊急会議を開こうと思っていたところです。 世界平和のために、今日の授業の時間を使わせてください!」 深々と頭を下げる。 僕に倣って、一人二人とそれに続いていく。 その光景を見ていた先生は、最初よりもさらに泣き出した。 「うぅ、みんながそこまで考えているなんて、先生は嬉しいぞ! 使いなさい! もう、いくらでも世界平和のために使いなさい。 校長が文句を言ってきたら、先生がぶっ飛ばしておくから!」 なんだか物騒な言葉が聞こえた気がしたけど、それはなかったことにして、僕らは再び頭を下げて、いよいよ会議を始める。
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