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「とりあえずどうする?
怪人を倒すとなると、有効な攻撃手段が必要だよな?
過去のエブリマンの戦い方とかを研究するか?」
「いや、エブリマンの必殺技は、どれも身体に埋め込まれたナノマシンや、Eエネルギーがないと使えない。
僕らではできないよ」
早速ぶち当たった問題。
そう、改造手術を受けていない僕らでは、怪人と戦う事などまず不可能なのだ。
みんなが黙ってしまう。
これは、まずい。
『何をやってもムダ』
そう考えてしまえば、怪人軍団の思うつぼなのに、そう思わずにはいられなくなる。
どうにかしないと、そう思ったその時、ゆっくりと教室の扉がガラガラと開いた。
「みんなは大人になりすぎだ」
入ってきたのはマエダ先生。
顔が少し腫れている気がするけど、大丈夫だろうか?
「せ、先生。保健室に……」
保健委員のサキちゃんが歩み寄るも、それをマエダ先生は制した。
「なに、ちょっと校長と色々あっただけだから、気にしなくていい。
それより、会議の方だが、みんな戦うことばかりを考えすぎだ」
「それは、どういう事ですか?」
怪人軍団に対抗するのだから、倒す手段を考えるのが先決のはず。
なのに、どうしてマエダ先生はそんなことを言うのだろう?
「対怪人特殊警備チームは、エブリマンだけじゃない。
他にもたくさんの人がいる。
強力な武器だって作っている人もいるし、怪人と戦うための訓練をしている人もいる。
戦う事は彼らに任せて、みんなは戦わなくても済む事を考えるべきじゃないかな?」
そうか!
確かに、エブリマンは敗けても、対怪人特殊警備チームはまだ健在だった。
まだ、人類に希望はあるんだ!
戦う事はできなくても、戦わない方法なら、僕らでも分かる。
毎週、エブリマンが言っていたからね。
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