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鬱陶しい雨がやっとあがり、
昨日まで色濃く空を覆っていた雲は嘘みたいに綺麗さっぱりなくなって、
清々しいほどに鮮やかな青空が広がっている。
ここ何日も静かだった鳥たちは、ここぞとばかりに美しい声を響かせる。
そんな、人も鳥もなにもかも、
久しぶりの晴れ渡る空に心を踊らせている昼下がり。
一人の少女が、何やら難しい顔をして歩いている。
よほど深刻に思い悩んでいるのか、
近づいてくる激しい足音にも気づいていないらしい。
すると、少女が曲がり角にさしあたったところで、
木々の間から、一つの影が、勢い良く飛び出してきた。
A「このちゃんに突撃ー!」
B「うわぁ!ゆうさん、どこから出てきてるんですか!?」
A「へへ、いたずら成功!
このちゃん、何か考え事してたみたいだけど、どうしたのー?」
B「ゆうさんが、どうやったら女装をやめてくれるか、考えていたんです」
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