第1章 つきまとうもの

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鍵を受け取った美奈子はその足で 妾宅だったあの家へ行き、玄関に作り つけられた靴箱の上にセレスタイトを 置いた。透明感のある青い石は玄関に 置くと家を浄化するという。美奈子が 石を持ち込んだのはもちろん祥子の 為ではない。出入りせざるを得ない 状況になった自分の為だ。 彼女は忙しい仕事の合間を縫って家を 掃除し、最低限必要な家具や日用品を 揃え、どうにか生活できる準備を整えて、 祥子を呼び出した。
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