梅雨明けの頃に

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雲間から射す光に目を奪われる。 私の役目ももう終わりだ…。 目の前では黒髪と茶髪の若い女の子が歓喜を揚げている。高過ぎるテンションは梅雨明けを知らせていた。 それを見て、私は小さく微笑む。 みんなから鬱陶しがられても、みんなから嫌われても、私は、自分の役割を果たした。 これから訪れる猛暑から人々や大地の渇きを凌ぐ為に出来る限りの水を与えた。 「いつもの事だけど… 誰も…褒めてくれない…ね」 呟いた言葉には疲弊が混ざっていた。 何百年、何千年… 一体いつからこんな事を繰り返しているのか私にすらもう分からなかった。 「…もう、辞めちゃおっかな…」 そう言いながら宛もなく歩き出すと、道端で買って貰ったばかりの傘を持って、青色が広がって行く空を恨めしそうに見つめる幼い女の子を見付けた。 「…また、来るね」 気付いたら私はそう呟いていた。
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