愛しさ余って怨み増す

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緋粋の一件から十日程経つ。あれから数日で仕事を終えた紅はイタリアから我が家に帰ってきた。連絡をくれれば迎えに行ったものを紅はサプライズと言わんばかりに突然帰ってきたのだ。 そして今は俺の運転する車の助手席に乗っている。 紅 「花音さんからモッツァレラチーズ買ってきてってメールが」 狗郎 「モッツァレラ?何に使うんだ?」 紅 「サラダ作るついでにカプレーゼも作るからって」 狗郎 「バーベキューにそこまでするか?」 紅 「雪乃さんや藍さんはワインを飲むから気を使ったんじゃないかな?」 俺はなるほどと頷く。実は今日は以前計画して中止になったバーベキューを決行する事になった。以前とはいつかと言えば狐狗狸の一件の時だ。 あの時はバーベキューどころではなくなってしまい、ずっと中止になっていたものをクリスティやアンナ、雨音、そして緋粋と紅が我が家にきた歓迎会を兼ねて今日の計画にいたる。 そして俺と紅はその追加の買い出しにでているという訳だ。
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