しがない探偵だ

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今、目の前に女がいる。 淡いブルーのスーツに身を包んだ美人。 髪も限りなく白に近い水色。 彼女の名前は氷領 雪乃。自称雪女だ。 ここは雪乃が経営するビルの社長室。 この間は雪乃に連れられ焼き肉屋に行ったが散々な目にあった。 まぁ花音も色々あったらしいから同情はするが…あーちゃんに情事の音声をライブで聞かせるのは流石にちょっとな…。 ん?私? ああ、自己紹介がまだだったな。 私は切野 咲姫。 しがない探偵だ。 ちなみに雪乃とは違い、自称ではなく本物の口裂け女だ。よろしくな。 とは言っても常に口が裂けている訳ではないぞ? あれは私なりの茶目っ気だ。 今日は雪乃とランチの約束でむかえにきたがまだ書類と格闘中のようだ。 まだかかりそうだから少し昔話しでもしようか。 私が狗郎と出会ったときの話しだ。 え?私と狗郎のアレな話しがいい? まぁない事はないが物語は順序が大事だろ? それじゃあポップコーンの用意ができたところで話しを始めようか。
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