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咲姫
「……マスク取るぞ?」
狗郎
「いや、取るなよ」
言ったんだよ狗郎は。
小学3年の少年がタメ口でな。
私は後悔したよ…もっと通気性の良いマスクにするんだったってね。
狗郎は怯える訳でもなく、あまりにも冷たい目付きで見るもんだから私は聞いたよ。
咲姫
「私が怖くないのか?私は口裂け女だぞ」
狗郎
「いや、普通に怖いよ」
私は安堵した。
やはり年相応に子供なんだなと…だが私の思いは打ち砕かれる事になる。
いや、それは私のせいでもあったんだがな。
狗郎
「だってそうでしょ?ランニングシューズ履いてコートの下にはサウナスーツ。そのコートもミリタリーコートでしょ?しかも全部真っ赤だし」
ええ、私が悪かったよ。
私だって女だぞ?口裂け女だってスタイル気にしたっていいだろ?
汗かいたっていいだろ?
咲姫
「女には色々あるんだよ」
狗郎
「ダイエットしてるの?口裂け女って太ったりするの?」
咲姫
「ノーコメント」
狗郎
「ふーん…必要には見えないけど」
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