しがない探偵だ

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私の心はひどく痛んだ。 私は一華と影狼は普段どうしているのかと聞くと、眠っているとこたえた。 今でこそ一華も影狼は必ずしも眠る事を必要としてないが、当時は自分の意思とは関係なく不規則に眠りに落ちていた。 施設はどうなのかと聞くと、驚いた事に施設の職員は狗郎の能力を知っていると言った。 何やら施設の責任者が幽霊なんかを見る事ができたため、狗郎に何か憑いていると気が付いたらしい。 その責任者が聞いてきたから自分には特殊な能力があることや一華と影狼の存在の話しをしたら、その責任者は涙を流し狗郎を抱きしめ理解を示してくれたそうだ。 それが初めて狗郎と出会った時に交わした会話の内容だ。 その日、別れ際によくここまで話してくれたなと思った私は何だか嬉しくなり…その…なんだ。 ちょっとだけキスしてやった…頬にな。
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