しがない探偵だ

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私は力一杯狗郎を抱きしめた。 その時の私は最低だった。 ただ私は狗郎を見たくないがために狗郎を抱きしめたんだ。 狗郎の目は怒りだけでなく死を孕んでいた。 私は泣きながら、そんな目をしている狗郎を愛情を示すかのように装い拒絶してしまったんだ。…本当最低だ。 そんな事を思っていたら突然背後に気配が現れたんだ。 その気配は人間とは異なるものだった。 私は狗郎の前に立ちその気配と向き合った。 それは真っ白な高級スーツに身を包んだ雪乃だった。 それが私達と雪乃の出会い。 そして雪乃との初めての会話はこうだ。 雪乃 「何なんだ…それは」 その時の雪乃の言葉はあきらかに狗郎を指していた。 咲姫 「それとは聞き捨てならないな。この子には柊 狗郎って名前があるんだよバケモンが!」 雪乃 「あなたも人間ではないでしょ?口裂け女」 咲姫 「おやおや、お見通しって訳かい」 雪乃 「そうね…あなたは私の事はわからないみたいね?」 咲姫 「興味ないね。だからさっさと私達の前から消えな!」 雪乃 「それはちょっと無理ね。それに見られて背中むけるなんて自殺行為よ?」
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