しがない探偵だ

50/50
645人が本棚に入れています
本棚に追加
/2888ページ
咲姫 「…ハア」 雪乃 「おい!」 咲姫 「うわわわわ」 雪乃 「あぁははははは!何よそれ!」 咲姫 「うわ~…勘弁しろ」 雪乃 「ぼーとしてるからでしょ?」 咲姫 「すまない」 雪乃 「かれこれ1時間はイッちゃってたわよ?」 咲姫 「ェ………え!?1時間!?」 雪乃 「ええ。とっくに仕事終わってるわよ」 咲姫 「気がつかなかった…昔話しに夢中になりすぎたようだ」 雪乃 「ん?昔話し?」 咲姫 「何でもない。こっちの話しだ。ランチは?」 雪乃 「今からだとちょっと時間がねぇ」 咲姫 「そうだ。カムカムに行かないか?でガッツリ食べて飲むんだ!」 雪乃 「え?こんな真っ昼間から?」 咲姫 「いいだろ?この間はちゃんと食えなかったんだから」 雪乃 「咲姫…大丈夫?」 咲姫 「ああ…過去は振り返るもんじゃないな」 雪乃 「大丈夫よ…狗郎ならきっと」 咲姫 「まったく…心を読むな」 雪乃 「狗郎にも言われたけど私にはそんな能力はない。ただ気遣いができるだけよ?」 雪乃はそう言うとニッコリと笑った。 本当にいい奴だ。 雪乃がいなければ私もどうにかなっていたかも知れない。 それにしてもすまなかったな。昔話しに付き合わせてしまって。 少しのはずがずいぶん長くなってしまった。 雪乃 「ほらほら行くわよ。しがない探偵さん」 咲姫 「ああ。なあ雪乃?本当は心読めるんだろ?」 私の名前は切野 咲姫。 本物の口裂け女で仕事は…しがない探偵だ。 しがない探偵だ 終
/2888ページ

最初のコメントを投稿しよう!