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咲姫
「…ハア」
雪乃
「おい!」
咲姫
「うわわわわ」
雪乃
「あぁははははは!何よそれ!」
咲姫
「うわ~…勘弁しろ」
雪乃
「ぼーとしてるからでしょ?」
咲姫
「すまない」
雪乃
「かれこれ1時間はイッちゃってたわよ?」
咲姫
「ェ………え!?1時間!?」
雪乃
「ええ。とっくに仕事終わってるわよ」
咲姫
「気がつかなかった…昔話しに夢中になりすぎたようだ」
雪乃
「ん?昔話し?」
咲姫
「何でもない。こっちの話しだ。ランチは?」
雪乃
「今からだとちょっと時間がねぇ」
咲姫
「そうだ。カムカムに行かないか?でガッツリ食べて飲むんだ!」
雪乃
「え?こんな真っ昼間から?」
咲姫
「いいだろ?この間はちゃんと食えなかったんだから」
雪乃
「咲姫…大丈夫?」
咲姫
「ああ…過去は振り返るもんじゃないな」
雪乃
「大丈夫よ…狗郎ならきっと」
咲姫
「まったく…心を読むな」
雪乃
「狗郎にも言われたけど私にはそんな能力はない。ただ気遣いができるだけよ?」
雪乃はそう言うとニッコリと笑った。
本当にいい奴だ。
雪乃がいなければ私もどうにかなっていたかも知れない。
それにしてもすまなかったな。昔話しに付き合わせてしまって。
少しのはずがずいぶん長くなってしまった。
雪乃
「ほらほら行くわよ。しがない探偵さん」
咲姫
「ああ。なあ雪乃?本当は心読めるんだろ?」
私の名前は切野 咲姫。
本物の口裂け女で仕事は…しがない探偵だ。
しがない探偵だ 終
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