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成仏したなら戻って来ることはほとんどないと出かけたが、春樹の気を削ぐのも野暮かと思い口を閉ざす。
春樹
「てか本当に成仏したんだよな?まだその辺さ迷ってたりしないよな?」
狗郎
「それは大丈夫だ。間違いなく成仏した」
春樹
「ならよかった。よかったんだけど…これって仕事の結果はどうなんの?すげえめちゃくちゃな状況だよな?」
春樹の言う事はもっともだ。仕事を成功させたのは春樹だけともいえる状況で、はたして報酬を要求してもいいのか迷うところだ。
狗郎
「多香子さん、申し訳ないが今回の報酬なんですが…保留でもいいですか?」
多香子
「保留?」
狗郎
「ええ…もし知り合いなんかが同じように困っていたら紹介してもらうという感じでどうでしょうか?まあ…こんな感じでよければ」
多香子
「え、いいんですか!?みんなに自慢しても!?」
狗郎
「自慢?え、ええ…まあどうぞ」
自慢するような事ではないだろと思いつつ首を傾げると、目を見開いた春樹が俺の顔を覗きこんできた。
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