磔の咎人

2/55
645人が本棚に入れています
本棚に追加
/2888ページ
夜中、まだ日が昇る気配すらない午前2時。霊が活発になるとも云われる丑三つ時といわれる時間。俺は右腕に圧迫感と痺れを感じ目を覚ました。 狗郎 「なんだ…え?」 誰かがベッドに潜り込んできたのだろうとは容易にわかった。問題は、その潜り込んできた人物。触り慣れた長い黒髪の感触から一華か、もしくは一華に近い人物、夜華かと思った。だが、その人物は一華でも夜華でもない人物だった。 狗郎 (杏華、なんでお前が寝てんだ!?) 俺は動揺する…スコブル動揺する。杏華がベッドに潜り込んできた事もそうだが、それ以上に杏華が産まれたままの姿に動揺したのだ。 狗郎 (やべえ…こんなところ一華に見られたら殺される!?) この時間、一華は寝ていると思うが、何せ間が悪い傾向にある俺はこの状況をコンマ1秒でも早く脱する必要があると判断した。 狗郎 (起こすと面倒になりそうだ。ゆっくり…確実に腕を抜いて脱出しねえと本当にまずい事になる)
/2888ページ

最初のコメントを投稿しよう!