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朝がきて、俺は自室からリビングに向かった。
狗郎
「おはよう」
一華
「おはよう狗郎。あら、よく眠れなかったの?」
杏華と桃華は気を使ったのか朝方にはベッドから出ていってくれたのだが、俺はそれまで眠る事ができなかったのだ。
狗郎
「ちょっと考え事をしていたらな」
一華
「そうなの?私はてっきり…昨夜、杏華と桃華が狗郎の部屋に入って行くのが見えたから何か関係があるのかと思ったわ」
バクバクと心臓が激しく鼓動をうつ。杏華と桃華が俺の部屋にいることは、既に一華に知られていたのだ。だが、怒ると思われた一華は普段と何らかわりない様子だった。
一華
「なに固まってるのよ?話しならメアから聞いてるわよ?桃華が積極的だってね。それより早くご飯食べなさいな。今日は警察の仕事に行くんでしょ?涼達はもう食べちゃったわよ」
巴
「はい、狗郎さん。準備できてますよ」
六花
「パパ、一緒に食べよ!」
狗郎
「ああ…いただきます」
あっけらかんとした一華を気にしつつ、俺は六花の隣に座ると、巴が準備してくれた朝食に口をつける。ちなみにだが、サイズが普通の人間と違う六花の食器なんかは、貿易にたずさわる紅に用意してもらったものだ。
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