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部署に戻り、俺は再びパソコンに向かい仕事を再開する。マイク達はほかに仕事があると帰っていった。
狗郎
「ふうー…デスクワークって疲れるな」
明津
「お前、皆瀬のとこでもやってるだろう?」
狗郎
「こんな長時間やるのは久しぶりなんだって。いっそ、この前みたくどこかで死霊が暴れてくれた方が俺としては楽なんだけどな」
明津
「おいおい、そんな不謹慎なこと言うもんじゃない。いいか狗郎、通報がないって事は平和って事だ。平和が一番ってもんさ」
狗郎
「俺の考えはそうじゃねえな。通報がないって事は誰かが人知れず被害にあってるかも知れねえって事だ。皆が皆、通報できたらそれこそ平和ってもんだろ」
明津
「まったく…ひねくれ者め」
狗郎
「事実だろ」
カタカタとキーを叩く音だけが部屋に鳴り響く。会話も弾まず、単調な仕事をこなせるのはカレンの淹れた美味い珈琲のおかげだとしみじみ感じていると、不意に部屋の外が騒がしくなっている事に気がついた。
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