旧 ホテル白崎 ~影を喰らう魔と闇の影~

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狗郎 「………地獄はごめんこうむる」 我がうったえかけると狗郎は先程とはうってかわり、真剣な顔で眉間にシワをよせ続けて言った。 狗郎 「馬車馬のように働かされそうだ」 影狼 「ぶふぅはぁぁ」 我、一生の不覚!? なぜ今そんな真面目にボケねばならぬ!? 一華 「……フフッ」 影狼 「狗郎!?主は阿呆か!?」 一華 「アハハハハハハハハハハハ」 何故こうなった? いくら何でもこれはひどすぎる。 先程まで我と一華は死をも覚悟していたのだぞ!? 見ろ!?一華なんぞ天を見上げ笑っているのだぞ!? 狗郎 「はぁ……」 我らをみて一つため息をついた狗郎は背を向けた。 大きな笑い声を上げていた一華は背を向けた狗郎を見ると笑うのをやめた。 その一華の顔は、いつも見せる気品のある表情へともどっていた。 そしてゆっくりと立ち上がり歩みはじめる。 一華 「影狼?あなたはどうするの?」 歩みをとめた一華は我に問う。 その傍らには一華の想い人。 一華 「私は…決めたわよ?」 そう言うと一華は手をかざした。 すると影から一口の刀が現れた。 その名は影闇。一華の愛刀の一口だ。 影狼 「お主ら、少しは我の身にもならんか!?」 我は歩む。 友の…家族の傍らへ。 狗郎 「さてと…仕切り直しだ」
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