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「嘘・・・でしょ・・・。」
「どうしたんです?」
「アタシ、死んだの?」
「なぜ、そう思うんです?」
「なぜって!だって、モロじゃん!この空間が、モロじゃん!」
「モロ?」
「空間もモロだし!貴方もモロじゃん!」
「私もモロですか?」
「アタシ、死んだの?」
「死んだ事もないのに、死を疑うとは、人間は面白い生き物ですね。」
「その言い回しがもう、モロなのよ。アタシを人間扱いしてる時点で、ここはあの世で、貴方は死神って事でしょ?」
「夢かもしれませんよ?」
「それはないわ!さっきから太ももをモロつねってるけど、覚めないから!いや、そもそもこんなにも頭が覚醒してる夢なんか見た事ないわよ!アタシ、死んだんでしょ?」
「死んだっていいじゃありませんか。何をそんなに生きるとか死ぬに拘っているんですか。」
「斬新な切り口ね。人間なんだかモロ生死に拘って当然でしょ!」
「下らない。」
「死神は、どうか知らないけど、人間にとっては、重要な事なのよ!」
「ここは、生死を選択する場。実はまだ、キミは仮死状態なんです。」
「なら!」
「生を選びますか?」
「当然でしょ!」
「大勢の人の前で犬の糞で滑って転んで頭を打った。」
「死ぬわ!」
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