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そう言って、俺のほっぺたに冷たくて硬い何かがピトッと軽くぶつけられる。
「うお!?冷たっ!!」
俺はびっくりして直ぐに涙の方を振り向く。
すると、そこにあったのはコンビニやスーパーに良く売っているアイスだった。
「なんだよ、おどろかすなよ!」
涙は、そんな俺を見て今にも吹き出しそうな顔をしている。
「そ、そんなに、ふふ、びっくりす、ぷふ、するなんて思わなかったのよ、ぷぷ」
こいつぅぅぅ、と思いながらも、その時の俺は無駄に体力を消費したく無かった為、元のダラーン形態に戻り、涙と一緒に歩き出す。
「まあまあ、そう怒りなさんな」
そう言いながら涙は俺に袋に入ったアイスを渡してくる。
俺は、それを何も言わずに軽くため息だけついて受け取ると、袋を開けて取り出して一口食べてみた。
「あれ?これって確か、あの商店街の・・・」
俺は、袋のパッケージを眺めながら記憶の中を探りだす。
涙が笑顔で、うんうん、と顔を縦に振りながら当たりとでも言うように俺の方を見る。
「朱雀なら分かると思ってたよ」
そう言って涙はニコニコしながら俺の顔を覗くように見てくる。
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