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涙はその状態で「前から朱雀はこのアイス好きだもんねー」っと満足そうな顔だった。
「べ、別に、俺は・・・」
俺は、そんな涙の眩しい笑顔に不覚にもドキッとしてしまった。
それを見た涙は間髪を入れずに俺の頬っぺたをツンツンとちょっかいを出してくる。
「や、やめろ馬鹿!」
このままだとずっといじられると思った俺は、アイスを口に咥えて学校まで残り少ない距離をバックが落ちないように持って走り出す。
涙も、負けじと俺の直ぐ後を「まてー!」と追いかけて走って来ていた。
あれでも学級委員長なんだから本当驚いちゃうよ。
俺は、走りながら肩をすくめて見せる。
因みに俺達の通学路は団地を抜け、大きく長い坂を下り、商店街を抜けた十字路を真っ直ぐ行くと俺達の高校【私立摩暮路高校(しりつまぼろこうこう)】がある。
今は、丁度その坂を下っているところだった。
大きな坂を下り終えると、そこには色んな店が道を囲うように立ち並ぶ商店街に出た。
「今日も朝から賑やかだなー」
商店街は、朝からとても賑わっていた。まあ、いつもの事なのだが、朝から店の準備で商店街のみんなは忙しそうだった。
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