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「当たり前でしょ?朝から活気があっていいことじゃない?」
俺は、後ろから聞こえる聴きなれた声を聴いて、自分の足が止まっている事に気付く。
商店街の活気の良さに俺は知らない間に圧倒されていたようだった。
「涙は女子の割には走るの速いよな?」
そう言って苦笑いをしながら涙の方を振り返ると、涙は、えっへん!と胸を張って自慢げそうにしていた。
「お、お前・・・」
俺は、そんな涙を直視出来ないでいた。それは何故か・・・。
だって、夏服だからワイシャツ姿の涙さんの胸の形が微妙に分かってしまうんだもの!!
「ん?朱雀?いきなり目逸らしてどうしたの?」
純情乙女な涙さんは、俺がなんで目を逸らしているのか分かっていないのか、わざわざ俺が目を逸らした所に顔を持ってきてジロジロと覗くように見て来ていた。
「な、なんだよ!?」
俺は、恥ずかしいのを我慢出来ずに慌てて目を逸らしなおす。涙もまた見ようとしてくる。それを繰り返していた。
「涙!お、お前わざとやってるだろう!」
涙は、そんな俺を見ながら、意地悪な笑顔を浮かべて「だってー、朱雀がなんか可愛いんだもん」と言いながら含み笑いをしていた。
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