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コンコン
「はい、どうぞ」
周囲が騒がしい中、部屋の中から低い声が聞こえた。
「失礼します」
ー ガチャ ー
ー バタン ー
扉を閉めると、控室の中はとても静かで涼しかった。
部屋には段ボールが3箱ぐらい、机1つが置いてあった。
大きな窓が開けられていて、
そこにもたれ外を眺めている背の高い男の人が立っていた。
すぐに靴を脱ぎ、一段上がると、
「何か失礼がありましたか?」
低い声で優しく聞いてくれる。
なんだか緊張する。
間があいた。
「あ!いや、その。」
モジモジしてうつむいてしまった。
ヨイショと言わんばかりに、気だるそうにもたれていた体を起こし、一歩近づいたのがわかった。
「どうかしましたか?」
と言いながら近づき。持っていた紙袋を覗き込まれた。
「あ・・・半袖が一枚多く入ってたんですね。」
と紙袋から半袖一枚取り出し、
「わざわざありがとうございます。」
と振り向かれた。
『近っ!!!』
顔と顔が、わずか30センチ!!!!
「えっ!!」
っと、一歩下がってしまった。
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