ウッカリ調教されちゃった暁には……

14/20
前へ
/109ページ
次へ
えっ。 さすがに見間違いよね? 何度台本を見ても、 やはり 口づける  と書いてあります……。 ですが小太郎くんを見上げると、 彼も えっ という顔を しているではありませんか。 え、どうして? だってこのお話って 小太郎くんが書いたのでしょう。 なぜそんな不思議そうな顔をするの。 ……いや、待って。 よくよく考えてみれば、 面倒臭がりの小太郎くんが こんな宿題を しかもひとりで書いてくるかしら? 私にはとても思えません。 ということは、 誰かが代わりに書いたのだわ…… そうに違いないわよ。…… 小太郎くんは軽く頭をかいて 私の前に方膝をつき、 それからそっと顔を近づけました…… いや、待って。 ちょっと待って!! このまま逃げなかったら私、私っ。 でっでも逃げたら凄く失礼ですし キライっていってるみたいだし、 みんなの前で 小太郎くんに恥をかかせてしまうし! でも、ああでも、 このままじゃ本当にもう、 ほんとに……もう、…… 目の前の影が濃くなって、 彼の顔が全く見えなくなるまでに 長い時間はかからなかった。……
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加